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2018年4月25日 野党6党が衆院予算委を欠席

毎日新聞】26日衆参予算委で野党抜き集中審議 理事懇決定

 衆参両院の予算委員会は25日、それぞれ理事懇談会を開き、26日に集中審議を開催することを決めた。一方、立憲民主党など野党6党は理事懇談会を欠席。国会対策委員長が国会内で会談し、麻生太郎副総理兼財務相の辞任などに応じなければ引き続き国会審議を欠席する方針を確認した。

 集中審議は、安倍晋三首相らが出席し、先の日米首脳会談を踏まえ、外交などをテーマに質疑を行う。与党は野党6党抜きでも審議を行う方針で、与野党の対立はさらに激化しそうだ。

 これに先立ち、自民党二階俊博公明党井上義久両幹事長らは25日午前、東京都内のホテルで会談し、26日に集中審議を開く方針を確認した。働き方改革関連法案について、27日に衆院本会議で審議入りすることも申し合わせた。

 自民党森山裕国対委員長は会談後、審議拒否を続ける野党に出席を働きかける考えを示す一方、「(不祥事追及を)法案審議と切り離して考えてもらわないと、国民の理解は得にくい」とけん制。「内閣不信任決議案が出されれば、衆院解散も一つの選択肢だろう」とも述べた。

 これに対し、立憲の辻元清美国対委員長は記者団に「政府・与党が財務省の異常事態をリセットすることが審議促進につながる」と反論。衆院解散の可能性に触れた森山氏の発言について「そんな余裕は政府・与党にはないのではないか」と批判した。野党6党は麻生氏の辞任や柳瀬唯夫元首相秘書官の証人喚問などの要求に与党が応じない限り、審議拒否を続ける構えだ。【村尾哲、立野将弘】

(https://mainichi.jp/articles/20180425/k00/00e/010/287000cより抜粋)

 

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 野党6党が国会の審議を拒否し、欠席している。野党6党とは民進党、希望の党立憲民主党社民党共産党自由党の6党である。現在野党は全部で7党あり、日本維新の会以外の野党はすべて審議拒否している状況だ。
 現在、国会の勢力は大まかに3つに分けられる。与党、野党6党、維新だ。野党6党はここのところ、政権や行政機関職員を取り巻くスキャンダル疑惑などを国会で追及しており、与党はその対応に追われている。しかし国会の時間全てがスキャンダルで浪費されるわけではなく、一応は働き方改革関連法案や成人年齢を18歳に引き下げる法案、放送法の改正などについても議論している。しかし野党6党は麻生太郎副総理兼財務相が辞任に応じるとか、スキャンダル疑惑に充分な回答が得られるまではこれらの議論についても、応じられないとして審議を拒否、国会を欠席している。維新は野党の中では唯一これに乗じず、残された与党と国会協議を続け、法案の審議に取り組んでいる。

 確かにここのところ連続で財務省防衛省など行政機関の不祥事が発覚しているし、それについての与党の議員の失言などもぽろぽろと出ている。それらに関しては適切に処分されるのが望ましい。
 しかしそれを以てして、国会の審議全てをストップしてしまうというのは果たしていかがなものか。国会、そして国会議員には国民の代表として立法機関の役割を果たす責任がある。ひとつの疑惑を根拠にすべての国会審議を拒否することは、野党の議員に投票した有権者への責任を果たしているといえるだろうか。私はそうは思わない。

 先日も麻生財務大臣G20の会議に出席するために国会の承認を得ようとしたところ、財務省の福田事務次官のセクハラ問題への対応を優先すべきだとして野党6党が反対し、結局国会承認が得られなかった。与党と維新は国益の観点より別個の問題は切り離して考えるべきだとして野党6党に協力を求めていたが、野党6党はかたくなに反対の姿勢だった。国益よりもスキャンダルが優先で、国会議員としてそれでいいのかという疑問が浮かぶ。

 そんな野党6党への国民の不信感は支持率に表れている。一連の不祥事を追及していても、野党の支持率はほとんど上がっていない。特に希望の党は先日、前代未聞の支持率0パーセントを叩き出した。これは歴史に残るだろう。
 最新の調査では政権支持率は30パーセント台(調査機関によってブレがあるがおおむねこの程度)だが、与党支持率は50%ほどあるという点からも、国民の支持が野党に移ったわけではないということが見て取れる。
 与党6党は一連のスキャンダルの追及の中で「内閣総辞職ものだ」などと一時は総辞職まで求めていたが、今この状況で解散総選挙が行われた場合、野党に勝機はないと見ていいだろう。引用した記事にも『立憲の辻元清美国対委員長衆院解散の可能性について「そんな余裕は政府・与党にはないのではないか」と批判した』とあるが、解散されると困るからこのように言っているように見える。野党は本当に勝機があるのなら、すぐにでも解散すべきだと言うはずである。

 様々な政治評論家や識者が指摘している通り、不祥事追求は特別委員会でも作ってそちらでやればよい。不祥事追求と法案審議は分けて考えなければならない。世界の状況はこうしている間にも激動している。喫緊の課題も多い。そんな中、不祥事追求だけで国会そのものが台無しになってしまうのは残念としか言いようがないし、投票してくれた有権者の期待を裏切る行為だ。
 また1日3億円とも言われる国会開催費用も掛かっているのに、それを無駄にすることは感心できない。
 国会のあり方についても、今こそ考えるべきかもしれない。