2018年4月4日 防衛省の陸自イラク派遣時日報見つかる
【毎日新聞】「また文書」政府防戦必死 自民不満たらたら
防衛省が「不存在」と説明していた陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が見つかった問題で、安倍政権は「あくまで防衛省内の問題」と強調し、政権への打撃を抑えようと躍起だ。しかし公文書や情報の管理を巡る不祥事は、昨年から今年、防衛省だけでなく財務省、文部科学省、厚生労働省、内閣府などで多発する異常事態。佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問を終えて一息ついたばかりの自民党からも、政府の「緩み」に不満が噴き出している。【竹内望、高橋克哉】
「防衛省の情報公開、文書管理については国民や国会から厳しい指摘を受け、再調査している」
菅義偉官房長官は3日の記者会見でこう強調。責任の所在を記者団から尋ねられると「まずは防衛省の中で対応する話だ」と述べるにとどめた。
(https://mainichi.jp/articles/20180404/k00/00m/010/224000cより抜粋)
財務省に続いて防衛省で文書管理についての問題が浮かび上がった。陸上自衛隊のイラク派遣を巡って、存在しないとしていた当時の日報が見つかったのだ。防衛省は昨年にも南スーダンのPKO活動時の日報を巡る情報管理の問題で当時の稲田防衛相が辞任している。
「森友文書」問題に続いてのこの時期に立て続けに文書管理についての問題が発覚し、政権への大打撃だとする向きもある。しかし本当にそうだろうか。どちらかと言えば今回の問題は政権に有利に働くと思えてならない。実のところ私は政権側が意図的にこの時期にタイミングを合わせて今回の防衛省の問題を出してきたのかと思ったくらいだ。それはどういうことか。
ここのところ騒がれた「森友文書」問題では、森友学園へ売却した土地の値引き問題と公文書管理の問題とが野党とマスコミによって意図的に一緒くたにされて追及されていた。そのうち値引き問題については言いがかりだということがかなり確定的になっていているが、公文書管理には確かに大きな問題がある。しかし、本来切り離して考えるべき二つの問題がまとめて論点もわからず「とにかくバッシングする」という具合になってしまっていた。
しかしここで防衛省の公文書管理問題を出すことで、当然野党やマスコミは「森友学園に続いて公文書管理に問題が!」という論調で追及することになる。それにより森友学園の件について、公文書管理の部分を値引き問題と切り離すことができるようになる。
つまり、政権側の「罠」のようなものではないかと思う。
そして公文書管理の杜撰さは安倍政権だけの問題ではない。
裁量労働制についての調査結果が不備だらけだったため安倍首相が答弁を撤回したのも記憶に新しいが、その調査結果は民主党政権下でまとめられたものだ。
また同じく民主党政権下の2010年には厚生労働省東北厚生局の職員が、情報公開法に基づき開示した文書を改ざんするという、森友文書や防衛省の日報など比較にならないほどの言い逃れの余地もない特大不祥事をやらかしている。だが当該職員の減給処分だけで責任者も厚生労働大臣も、ましてや総理大臣が辞職などしていない。
それでも仮にこの問題で世論が動き、内閣支持率が回復不能なまでに落ち込んだとしても、今解散総選挙を打てば確実に自民党が勝てる。ただしその場合は憲法改正がほぼ不可能になるという犠牲も伴うが、消費税増税中止とセットにすれば万が一の可能性は残るだろう。